利用方法

目次


1. このデータベースでできること

『大正新脩大蔵経』は、近代における仏教典籍編纂の画期的な成果であり、現在に至るまで仏教学研究の基盤として広く利用されています。本データベースは、この先人の大事業に深い敬意を払いながら、その内容を文献学的観点からあらためて精査し、その継承と発展を支える研究基盤として、より精確に活用できる環境を整備することを目的としています。

仏典名から調べる方法と、底本・校本などの伝本から調べる方法の2つの検索機能により、仏典単位・伝本単位の双方から情報にアクセスできます。

検索結果では、『大正新脩大蔵経勘同目録』および各巻脚注に記載された底本・校本情報を対照して確認でき、未校合や未収のテキストを含めた全体像を把握することができます。

詳細情報は三階層構造を採用しており、仏典の基本情報、底本・校本一覧、巻単位の書誌情報・画像へと段階的に閲覧できます。第2階層では複数伝本の画像比較に対応し、第3階層では統一形式による巻別情報の参照が可能です。

本データベースは、底本・校本・未校合・未収を含むテキスト群を横断的に整理し、版本間比較と原資料へのアクセスを一体的に行うための研究基盤を提供します。

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2. 2つの検索方法

トップページでは、「仏典名から調べる」と「伝本から調べる」の2つの検索方法を選択できます。目的に応じて入口を選ぶことで、必要な情報へ効率的にアクセスできます。

トップページの検索方法の選択画面

「仏典名から調べる」は、仏典単位で情報を一覧するための検索です。検索結果では、経典番号、訳著者、収録巻次などの基本情報を確認できるほか、データベースに登録された伝本の件数を把握し、各伝本の詳細情報へ進むことができます。

「伝本から調べる」は、伝本に関する条件を組み合わせて検索する方法です。『大正新脩大蔵経勘同目録』および各巻脚注に記載された底本・校本の区分、書誌情報、所蔵者などを条件として設定できるほか、「資料群名」による大蔵経別・所蔵機関別の検索も可能です。利用者の関心に応じて柔軟に検索条件を指定し、各仏典に関連する伝本を一覧することができます。

いずれの検索方法でも、各伝本の詳細情報へ進むことができます(「2.5 詳細情報を開く」)。

2.1 仏典名から調べる

「仏典名から調べる」では、経典名(別名を含む)、経典番号、訳著者名などを入力して検索します。仏典単位で情報を一覧したい場合に適した検索方法です。

経典番号について

本データベースでは、便宜的に経典番号を付しています。主な区分は次のとおりです。

記号説明
T0000大正蔵収録仏典(底本・校本・未校合を含む)
K0000麗本所収の大正蔵未収仏典
S0000宋本所収の大正蔵未収仏典
Y0000元本所収の大正蔵未収仏典
M0000明本(酉蓮社本)所収の大正蔵未収仏典
KY0000宮本所収の大正蔵未収仏典
Z0000その他の大正蔵未収仏典(主に仏典書誌データベース登録分)

検索結果には、経典番号、経典名、訳著者、収録巻次などの基本情報が表示されます。また、当該仏典について本データベースに登録されている伝本の件数を確認することができます。

検索結果から、各伝本の詳細情報へ進むことができます。

「仏典名から調べる」の検索結果

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2.2 伝本から調べる

「伝本から調べる」では、伝本に関する条件を設定して検索を行います。底本・校本・未校合・未収の区分のほか、『大正新脩大蔵経勘同目録』および各巻脚注に記載された書誌情報や所蔵者などを検索条件として指定することができます。

また、「資料群名」を用いることで、大蔵経別や所蔵機関別に伝本を抽出することも可能です。利用者の関心に応じて条件を組み合わせることにより、特定の大蔵経に含まれる未収仏典の一覧や、特定機関に所蔵される伝本の一覧など、目的に即したリストを得ることができます。

検索結果では、各仏典に関連する伝本を一覧でき、『大正新脩大蔵経勘同目録』と各巻脚注の記載を対比しながら、その状況を確認することができます。

「伝本から調べる」の検索結果

大正蔵「未収」仏典の検索結果の一例
大正蔵「未収」仏典の検索結果の一例

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2.3 キーワード検索と絞り込み(ファセット)の使い分け

キーワード検索では、経典名、経典番号、訳著者名のほか、『大正新脩大蔵経勘同目録』や各巻脚注に記載される伝本に関する情報を対象として検索することができます。特定の語を手がかりに情報を抽出したい場合に有効です。

一方、絞り込み(ファセット)では、底本・校本・未校合・未収の区分、資料群名、大蔵経別、所蔵機関などの条件を選択して検索結果を限定することができます。

キーワード検索とファセットを組み合わせることで、目的に応じた条件設定を行いながら、必要な情報へと絞り込むことが可能です。

絞り込み(ファセット)検索

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2.4 検索結果のCSV出力

検索結果は、CSV形式でダウンロードすることができます。検索条件に応じた一覧をそのまま取得できるため、外部での整理や分析に利用することが可能です。

検索結果の「CSVダウンロード」

 

CSV形式ファイル

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2.5 詳細情報を開く

詳細情報は、検索結果の各行から開くことができます。

  • 「仏典名から調べる」の検索結果では、「伝本の情報」欄の「詳細を見る」をクリックすると、底本・校本一覧にフォーカスした状態で詳細情報が表示されます。

「仏典名から調べる」検索結果の「詳細を見る」ボタン

  • 「伝本から調べる」の検索結果では、「表示切替」欄の「詳細」をクリックすると、基本情報にフォーカスした状態で、選択した伝本の詳細情報が表示されます。

「伝本から調べる」検索結果の「詳細」ボタン

詳細情報の構成については、次章で説明します。

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3. 詳細情報の見方:3階層構造

詳細情報画面は、「基本情報・外部リンク」「底本・校本一覧」「伝本の書誌情報」の3つの階層から構成されています。仏典全体の概観から、伝本一覧、巻別の詳細へと段階的に参照できる構成です。

画面右側にはフローティング「目次」を設けており、各階層へ直接移動できます。

フローティング「目次」

なお、検索方法によって、詳細情報画面を開いたときにフォーカスされる階層が異なります(「2.5 詳細情報を開く」参照)。

3.1 第1階層:仏典の基本情報

「基本情報・外部リンク」では、仏典単位の基本情報を確認するとともに、関連する外部データベースへのリンクを参照できます。仏典全体の位置づけや研究情報への入口となる領域です。

第1階層「仏典の基本情報」

3.1.1 外部データベースへのリンク

「外部リンク」には、次の3種類のリンクを掲載しています。

  • SAT大蔵経DB:本文テキストおよび版面画像へのリンクです。巻を指定して「テキストを見る」「画像を見る」から該当箇所を開くことができます。
    SAT大蔵経DBへのリンク
  • 佛經目錄規範資料庫:登録されている各仏典の「規範碼」(仏典ID)および編著者情報を参照し、該当ページへのリンクを掲載しています。
    佛經目録規範資料庫へのリンク
  • Chinese Buddhist Canonical Attributions database(CBC):CBCに登録されている大正蔵所収仏典を対象に、著者・翻訳者および成立年代等に関する研究情報へのリンクを掲載しています。
    CBCへのリンク
3.1.2 関連する書誌研究を見る

仏典に関連する書誌研究を登録している場合、「関連する書誌研究を見る(件数)」のように登録数が表示されます。
「関連する書誌研究を見る」ボタン

クリックすると、論文・図書等の書誌情報が一覧表示されます。原文が公開されている場合は該当ページへのリンクを付し、INBUDSに登録されている場合はINBUDS IDおよび該当ページへのリンクを掲載しています。

関連する書誌研究一覧

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3.2 第2階層:底本・校本一覧

「底本・校本一覧」では、大正蔵の底本・校本の各伝本を一覧表示します。『大正新脩大蔵経勘同目録』に記載された底本・校本と、各巻脚注に記載された伝本情報を対照しながら、伝本構成の全体像を把握できます。底本・校本一覧

また、大正蔵「未校合」の伝本や、大正蔵に収録されていない「未収」仏典とその伝本についても一覧することができます。これらは便宜的に「脚注」欄に登録し、勘同目録記載の伝本とあわせて参照できるよう整理しています。「底本・校本一覧」の「未収」仏典

各行には、伝本の区分、資料群名、所蔵者、巻数等の基本情報が表示されます。ここから個別の伝本を選択し、「伝本の書誌情報」へ進むことができます。

大正蔵編纂時の参照状況と、それに含まれなかった伝本群とを同一平面上で比較できます。

3.2.1 「現在表示中/切替」の見方

複数の伝本が登録されている場合、「現在表示中」と表示されている伝本の情報が第3階層の「伝本の書誌情報」に表示されます。「切替」をクリックすると、第3階層に表示する伝本を変更できます。

「底本・校本一覧」の「表示切替」機能

3.2.2 「勘同目録を見る」

「勘同目録を見る」をクリックすると、『大正新脩大蔵経勘同目録』における当該仏典の記載内容を確認できます。「勘同目録を見る」ボタン

掲載頁、書名、名称(和・漢・梵)、巻数、訳者などの情報が表示され、あわせて該当頁の画像をIIIFビューワで閲覧できます。

「勘同目録」の画面

3.2.3 「画像を比較する」:IIIFビューワによる比較

「画像を比較する」をクリックすると、複数の伝本画像をIIIFビューワで並列表示し、原本の画像によって版面構成や本文の異同を比較できます。「画像を比較する」画面

今後は、巻単位での比較も可能とする予定です。

3.3 第3階層:伝本の書誌情報

第3階層では、選択した伝本ごとの書誌情報を表示します。この階層の内容は、第2階層の「底本・校本一覧」で選択した伝本に応じて切り替わります。

書誌情報は、単行本や大蔵経所収本など、様々なタイプの仏典を同一のフォーマットで表示できます。書誌情報の項目は下記のとおりです。

項目内容
書名・巻数伝本の書名および巻数
訳著者名翻訳者・著者情報
出版事項書写・刊行に関する情報
冊数冊数
請求記号所蔵機関における請求記号
資料群名所属する資料群。大蔵経名や叢書名など
函冊資料群内での収録位置
経典番号資料群内での整理番号
所蔵機関所蔵機関のホームページにリンク
所蔵DB所蔵機関の書誌情報ページにリンク
(データベース名)で見るより詳細な書誌情報を参照可能なデータベースにリンク

書誌情報が入力されている項目のみ表示される仕様になっています。一例を挙げると次の通りです。

「伝本の書誌情報」の一例

「全巻一覧表示」ボタンをクリックすると、巻別の書誌情報が展開されます。書誌情報の項目は下記のとおりです。

項目内容
函冊資料群内での収録位置
経典番号資料群内での整理番号
収録内容巻の内容(例:巻1、巻2、序、跋など)
訳著者名当該巻に関する訳著者情報
丁数丁数(例:1-15a)
出版事項書写・刊行に関する情報
備考補足情報
テキストテキストデータへのリンク
画像画像データへのリンク

やはり書誌情報が入力されている項目のみ表示される仕様になっています。一例を挙げると次の通りです。

「全巻一覧表示」の一例

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4. 第3階層(伝本の書誌情報)の活用

第3階層では、個々の伝本に関する書誌情報、巻別情報、画像、テキストへ直接アクセスできます。本章では、それらの活用方法を説明します。

4.1 書誌情報・画像へのアクセス

第3階層の「伝本の書誌情報」では、所蔵機関、請求記号、資料群名、出版事項などの情報を確認できます。

所蔵機関名からは当該機関のホームページへ、所蔵機関のデータベース名称からは該当資料の書誌情報ページへリンクしています。原資料の詳細情報や画像公開ページへ直接アクセスすることが可能です。

「伝本の書誌情報」書誌情報

外部リンク「宮内庁書陵部収蔵漢籍集覧」

「全巻一覧表示」で巻別に表示される「画像」リンクからは、各伝本の画像データへアクセスできます。リンク先がIIIFに対応している場合は、IIIF manifestを通じて、本データベースで用意したIIIFビューワ上で画像を閲覧できます。拡大表示や複数画像の比較など、IIIFの機能を活用した操作が可能です。

「全巻一覧表示」で外部サイトの画像を見る

外部サイトの画像をIIIF manifestにより表示

4.2 「増上寺三大蔵」デジタルアーカイブとの連携

外部機関とのデータベース連携の具体例として、「増上寺三大蔵」デジタルアーカイブに公開されている資料との連携を紹介します。

増上寺三大蔵は、「伝本から調べる」の「資料群名」で絞り込みが可能です。「表示切替」欄の「詳細」ボタンをクリックして、「詳細情報」を開いてください。

増上寺三大蔵の絞り込み方法

第3階層の「伝本の書誌情報」の「所蔵機関」欄から「増上寺三大蔵」デジタルアーカイブにアクセスし、原本画像および詳細な書誌情報を参照することができます。

「増上寺三大蔵」デジタルアーカイブとの連携

「増上寺三大蔵」デジタルアーカイブ

「三大蔵目録検索」

『増上寺史料集 別巻 三大蔵経目録』情報

本データベースでは、第2階層の「底本・校本一覧」にて勘同目録および脚注に記載された増上寺三大蔵の伝本を一覧表示したうえで、IIIF manifestによって、「増上寺三大蔵」デジタルアーカイブに接続して画像やメタデータを閲覧できるようにしています。

増上寺三大蔵の「底本・校本一覧」収録状況

「画像を比較する」ボタンをクリックすると、増上寺三大蔵の麗本・宋本・元本の冒頭部分の画像を並べて表示できます。

増上寺三大蔵の「画像を比較する」

「全巻一覧表示」によって、各巻の冒頭部分の画像を開くこともできます。

増上寺三大蔵の「全巻一覧表示」

増上寺麗本巻5の冒頭画像を開く

4.3 本文テキストの閲覧:TEIビューワ

酉蓮社蔵嘉興版大蔵経の所収仏典については、本文テキストのデジタル公開を進めており、校正作業が完了した仏典から、順次、第3階層の「テキスト」欄にリンクを登録しています。TEIビューワへのリンク

本文テキストは、専用のTEIビューワにより、原本画像と対照しながら閲覧いただけます。TEIビューワ

将来的には、より多くの仏典の本文テキストを公開する予定です。

4.4 今後の展開

本データベースでは、今後、外部機関との連携をさらに拡大し、比較可能な伝本画像の充実を図る予定です。

あわせて、原本調査や画像の精査を通じて、より詳細な書誌情報の取得・更新を進め、書誌データの精緻化を図ります。

書誌情報や画像の拡充にとどまらず、本文テキストのデジタルデータ化を推進し、画像・書誌・本文を横断的に参照できる環境の整備を進めていきます。

さらに、仏典および各伝本に関する書誌研究の情報を継続的に収集・整理し、伝本の系統や系譜に関する研究を、本データベースを通じて効率的に参照・深化できるよう支援していきます。

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5. 利用上の注意

本データベースの情報を引用・参照する際は、出典として本データベース名を明示してください。

画像データの利用条件・二次利用については、必ず各所蔵機関の規定に従ってください。詳細は「このサイトについて」の「4. データの収集」をご参照ください。

書誌情報・画像・本文テキストは十分な確認を経て公開するよう努めていますが、データを引用等する際には、利用者の責任において内容をご確認ください。

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